振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害が広がっています
警察庁のまとめによりますと,全国の警察が認知した振り込め詐欺の被害額が3月と4月に20億円を超えたそうです。この被害額は最悪期と同じ水準である上,今年に入ってからの被害総額は昨年よりも85%増加しており,被害が深刻化しています。
被害のうち,息子や警察官を装ういわゆるオレオレ詐欺が7割を占めます。最近は,銀行などで振り込ませる方法に加え,犯人が現金やキャッシュカードを直接自宅などに受け取りに来る手口も増えています。
具体的には,あらかじめ息子や孫を装って,「携帯電話の番号が変わった」などと電話をかけて連絡先を犯人の電話にさせておき,後日の電話でトラブルが起こった事を口実に至急お金が必要だともちかけてお金をだまし取るとか,また,警察官を装って,銀行協会の職員に協力するよう要請してキャッシュカードをだまし取る手口もよく使われます。
その他にも,金融商品等の取引を口実にした詐欺も急増しています。
このような詐欺の手口としては,「以前投資した被害を取り戻せる」と持ちかけてお金をだまし取ったり,「必ず儲かる」と言って株や社債などに投資する名目でお金をだまし取ったり,パンフレットを送りつけた後に「その会社の株は値上がり確実」と信用させてお金をだまし取ったりものなどがあります。
多くの被害者は,ニュースなどで振り込め詐欺についてある程度の知識はあるのですが,身内のトラブルを告げる犯人からの電話に冷静さを失って,よく考えることができずに騙されてしまうのです。
このような被害を避ける対策として,高齢者の自宅の電話を,常に留守番電話に設定しておくことにより,直接犯人と話すことを避ける方法が有効です。また,心当たりのない電話番号からの着信には出ないことも被害を防ぐには効果的です。
また,息子や孫,身内を名乗ってメッセージが入ったとしても,すぐには電話に出ずに必ずこちらからかけ直すようにしましょう。別の身内に連絡したりするのもよいでしょう。特に,電話番号が変わったという連絡があったときには,変わる前の電話番号にかけ直して確認することが必要です。