自己破産とは
借金の総額が多く、自分の財産や収入では返しきれない場合、裁判所に申し立てて、払いきれない借金を法律上免除(「免責」といいます。)してもらう手続きです。
自己破産の流れ
1.相談
誰からいつ頃借金をして残元金はいくらか、毎月の収入と支出、さらにどのような財産を有しているかを弁護士に話し、自己破産による解決についておおよその見通しや必要な費用を確認した上で納得できたら、自己破産の申立てを弁護士に依頼する契約を結びます。
2.受任通知書の発送
貸金業者などに、弁護士が債務整理の依頼を受けたので今後は本人に請求せずに弁護士に連絡することと、今までの貸し借りの記録=取引履歴を送ってもらうことを記した通知書を送ります。
3.取引履歴の開示と引直し計算
業者などから送られてきた取引履歴を元に利息制限法の定める制限利率に引き直して借金の額がいくら減っていくら残るかを計算します。また、引直し計算により過払い金が生じる場合は業者から回収して、破産手続きの費用や生活費に充てることになります。
4.自己破産の申立て
裁判所へ提出する申立書を作成し、必要な書類を集めて、自己破産手続き開始と免責の申立てをします。
5.破産手続き開始決定・免責決定
千葉地裁八日市場支部や水戸地裁麻生支部に申し立てる場合は、依頼者と弁護士が一緒に裁判所で裁判官と面談してから破産手続きが開始され、無事に約2か月が経過すると免責決定が出ます。
これに対し、東京地方裁判所で申し立てる場合は、まず弁護士のみが裁判官と面談して破産手続きが開始され、約2か月後に依頼者と弁護士が一緒に裁判官と免責のための面談をしてから約1週間後に免責決定が出ます。
自己破産のメリット
- 免責の決定が出ると、滞納している税金などを除いた借金の全額は、法律上返済する必要がなくなります。
生活必需品や古い車などは処分せず、そのまま持っていることができます。 - 給料を差し押さえられている場合、差押えを停止することができます。
自己破産のデメリット
- 原則として住宅を手放す必要があります。
- 主にギャンブルによる借金など、免責を認められない場合があります。
- 全ての借金が対象となるため、保証人がいる場合に保証人に請求がいくなど迷惑をかけることがあります(保証人も一緒に破産できれば、余り問題はありません。)
- 資格制限があります(保険の勧誘員など)。
- 官報に掲載されたり、破産者名簿に記載されたします(一般の方は目にしないと思います)。
- 一定期間(5〜7年)信用情報機関に登録され、あらたに借金をすることができなくなります(ただし、むしろ、このことを望む人も多く、必ずしもデメリットとはいえません)。