遺言(いごん)
遺言者が行う死後の法律関係に関する意思表示で,その死亡により効力を生ずるものを遺言といいます。遺言は法律に定める厳格な方式によらなければすることができません(民法第960条)。
通常利用される遺言の方式としては,自筆証書遺言(第968条),公正証書遺言(第969条,969条の2),秘密証書遺言(第970条,972条)の3種類があります。
遺言に記載された全ての事柄について法的効力が生じるものではなく,民法などの法律が定めた一定の事項に限って法的効力が認められます。
例えば,相続分の指定や遺産分割の方法の指定,遺産分割の禁止,未成年後見人や未成年後見監督人の指定,遺言執行者の指定などは法律上遺言によらなければできないものです。
法律上遺言事項とされていない事柄については遺言に記載しても法律的な拘束力はありません。ですから,必ずしもその内容が実現されるというわけではありませんが,相続人が遺言書に記された本人の意思を尊重して,その実現を図ってくれる可能性はあります。
日常用語では「ゆいごん」と読みますが,法律用語では「いごん」と読みます。