和解
和解とは,当事者の間に法律関係についての争いがある場合に,その争いについて,当事者がお互いに譲り合って争いをやめるという合意を結んで紛争を解決することです。私法上の和解と裁判上の和解の2つに分けられます。また,広くは民事調停法や家事調停法による調停も和解の一種です。
和解は,日本では当事者による紛争解決手段として多く利用されています。
私法上の和解とは,既に存在する法律関係についての紛争を解決するために結ばれる契約で,裁判外の和解と言われることもあります。
①当事者の間に紛争があること,②当事者が互いに譲歩すること,③紛争を解決する合意をすること,の3つの要件を満たせば和解契約は成立します(民法695条)。
そして,和解の成立により,紛争は終結することになります。
裁判上の和解とは,裁判所が関与してなされる和解のことで,訴え提起前の和解と訴訟上の和解に分けられます。裁判上の和解が成立すると,和解の内容が和解調書に記載されます。そして,その記載内容は確定判決と同じ効力を持つので,和解調書に基づいて強制執行をすることができるのです(民事訴訟法267条)。和解には,判決での解決に比べて,早期に,かつ柔軟に紛争を終わらせる事ができる上に,控訴することによってさらに時間や費用がかかることも避けられるというメリットがあることから民事訴訟の紛争解決手段として,重要な役割を持っています。