過払い金返還請求
過払い金とは,いわゆる消費者金融会社(サラ金)などの貸金業者や信販会社から利息制限法で定めた利率を超える利息で借入をした場合に,本来支払う義務がないのに返済しすぎたお金のことで,過払い金の返還を求める手続きのことを過払い金返還請求と言います。
平成22年よりも前には,貸金業者から借入をする時には,利息制限法の上限金利(20%〜15%)を超える利息での貸付が多く行われていました。利息を定める法律には「出資法」という法律もあり,多くの貸金業者は出資法による利息を設定していました。このような利息は,民事上は無効なのですが,刑事罰が科されなかったので,利息制限法よりも高い金利であるが出資法の制限利率よりも低いといういわゆる「グレーゾーン金利」で貸付をしていたのです。
払いすぎた利息は,返済の度に借金の残りから差し引かれていくものであるので,本来の借金の金額は減っていくことになります。そして,何年も利息を払い続けていくと払いすぎた利息を差し引く借金もなくなり,計算上ただ払いすぎた利息分だけが残るということがあります。そうなると貸金業者にとって,過払い金は本当であれば受け取るべき理由のないお金なので,払いすぎた過払い金を民法第703条,第704条の不当利得として返還するよう請求することができるのです。
なお,平成22年6月18日から改正貸金業法が完全に施行されているので,現在では20%以下の利息での貸付が行われています。
しかし,それ以前に高い利息で借入,返済を繰り返していた結果,発生している過払い金が消えるわけではありません。